top of page

人生を縛り、自由を奪う枷となった800万円の奨学金。ブラック企業を辞めた私は、自己破産という権利を行使することにした

「奨学金帳消しプロジェクト」には、自らも奨学金を返済しながら、他の人のためにもこの制度を改善したい、という思いを持って活動に取り組んでいる社会人メンバーが数多く在籍しています。今回は、20代女性、Bさん(仮名)に、自らの奨学金返済の体験を書いてもらいました。


 

私は、奨学金を2種類借りており総額で800万近くの返済額となっております。私の両親は生活保護受給者で、生活保護家庭でも受けられる奨学金と、日本学生支援機構からの借入によって大学を卒業しました。現在は、うつ病のため会社を退職し、自己破産に向けて準備を進めております。  社会に出て待っていた現実は、大卒でも手取りが15万円程度で、入社から半年後から早々に月約4万円の奨学金が開始する生活でした。私は在学中に、両親から一方的な絶縁宣言と勘当をされたこともあって生活を1から立て直す資金と奨学金で生活は火の車になりました。さらに、コロナの影響もあり内定が全然取れなかったことで、唯一内定が出た会社に飛び込みましたがそこはブラック企業でした。臨時休日出勤で消されていく予定表上の休日、残業や夜勤担当になっても変わらない給与所得、大卒なら稼いでいるんだろと先輩方から叱責される日々の中でうつ病を発症し入社1年で自己都合退職の運びとなりました。  本来であれば、親世代から続いている貧困の連鎖を断ち切り誰でも平等に教育を受けられる機会を与えるための奨学金は、社会に出てから自分の人生を縛り、自由を奪う枷になりました。もはや、大学に出たことで収入が保証されている時代ではなくなったと思います。その中で、あくまで借りたものは返せと社会に出て早々、薄給の中から毎月奨学金を払う生活は私たち当事者の未来を確実に奪っていると考えます。  私は返済をまだ行えていた時期、たとえ今後猶予や延滞がなく支払えても完済するのは38歳で、ひたすら奨学金返済をするだけのために心身をすり減らす日々の先に果たして何が残っているんだろうと絶望感に満ちた毎日を送っていました。  現在は、様々な葛藤の末に私は自己破産をする道を選びました。両親が奨学金の保証人になっていますが、自分の命や体を削ってまで返済すること自体がおかしいと思い今回の決断に踏み切りました。私には幼い弟達が下にいますが、彼らもいずれ現在の奨学金システムで借入をし、似たような状況にあえぎながら返済していく未来でしか大学や高校に行けないのだろうかと考えると非常に胸は痛みます。  私の他にも、同じような道を良好な親子関係の中泣く泣く選ぶ方、その決断を恥やプレッシャーに感じてしまい選べずに苦渋の返済を継続する方様々な方がいらっしゃると思います。

 微力ながら、私の体験を通じて学歴格差と貧困是正のために本来あるべき奨学金が結論、当事者の未来を閉ざしている一因になっていること、それを脱出する手段として自己破産することは真っ当な権利として恥ずべきことでは無いこと、そもそも現状に奨学金システムが本当にこの国を良くしていくための制度なのかについて今こそ検討する必要があることを発信し続けていきたいです。 (20代、女性、フリーター、奨学金借入額800万円)

閲覧数:408回1件のコメント
bottom of page