奨学金3000件アンケート
私たちは、2022年7月から9月にかけて、奨学金を返済中の人がどのような困難を抱えているのかを、WEBアンケート調査から明らかにしました。調査には、20〜30代を中心としたおよそ3000人から声が寄せられ、奨学金が若者の人生に与えている深刻な影響が明らかになりました。
28%が延滞を経験

調査対象者のおよそ 3 割が延滞を経験していることが明らかになりました。
返還猶予措置が利用できるのは、原則として年収 300 万円以下の人に限られます。しかし、それ以上の年収の人も、多くが延滞を経験していることが明らかになりました。年収 300 万円〜600 万円の人 では、およそ 4 人に 1 人が「収入の低さ」などを原因に延滞を経験しています。
10%が自己破産を検討

調査対象者のうち、10%が「自己破産を検討したことがある」と回答しました。
低収入が原因で返済の見込みがないにも関わらず、もうすぐ猶予期間の上限まで使い果たしてしまう、すでに猶予期間を使い果たしたという人が増加しています。こうした人たちは、自己破産しか取れる選択肢がなくなってしまいます。
自由回答に寄せられた声
自由回答に寄せられたそれぞれのエピソードからは、奨学金返済がいかに彼ら彼女らの人生の重荷となり、その可能性を剥奪しているかが読み取れます。
以下では、項目に分けて、当事者の「生の声」を紹介します。
JASSOの対応・制度設計に関する問題
50代・アルバイト
年収100万円台
借入額100〜200万円
以前は少額でも返済つづけていれば全額返済や裁判などにはならないと説明されたが、毎年返済しているにも関わらず請求された。
50代・アルバイト
年収〜100万円
借入額500〜600万円
返還の説明会で学生支援機構の方が「滞納した場合、職場に電話するか直接伺う」と闇金のような脅し文句を言っていた。
30代・正社員
年収200万円台、借入額700〜800万円
借りた時には順調な人生を送れると思っていたが、現実はそうでもなく、四苦八苦している。
返せないことを相談窓口にしたら、それはあなたの自己判断で返さないのですよね?と言われた。延滞金も少しではあるが増えており疲れてしまっている。
40代・無職
年収〜100万円
借入額200〜300万円
病気で休職中に、返済の相談をしたら電話に出る人によって返答が違う。
利息だけで良いからと言われ、利息だけ払っていたら、いきなり督促会社から手紙が来て延滞分を一括で払えと言われ、親に借りて延滞分を一括で払った。
労働問題により返済困難
40代・専業主婦
年収〜100万円
借入額400〜500万円
非正規雇用だったので返還する余裕が無くてずっと死ぬしかないと思っていた。
30代・無職
年収100万円台
借入額800〜900万円
最初の数年間は低賃金なので返済を猶予しながら勤務し、資格をとってステップアップ する予定で転職したがブラック企業で過労により抑うつ状態となり失職。現在は生活保護を受け回復し復職を考えている。
30代・失業中
年収〜100万円
借入額100〜200万円
学費の為の借金である事は事実ですが、自分のように病気を理由に企業から首をきられてしまった場合でも返済義務があるのは辛いです。猶予してもらったところでその後の年収は200万円前後ですので。
30代・無職
年収100〜200万円
借入額400〜500万円
卒業後は非正規雇用かつ職を何度も変えており、奨学金の返済が非常に重くのし掛かっている。返金猶予制度・減額返還制度を何度も利用しており、滞納は免れているが全額返済までの道のりはかなり険しいと感じている。
30代・アルバイト
年収200〜300万円
借入額500〜600万円
「返済のためには、正社員になるしかない」と、新卒で某企業の正社員になりましたが、そこでの過重労働やパワハラによって、精神障害になりました。奨学金という「借金」さえ無ければ、あそこまで無理をして働く必要は無かったかもしれません。
30代・個人事業主/請負
年収200万円台
借入額500〜600万円
沖縄出身のわたしには奨学金しか道はなかった。だがその後就職してブラック企業で体を壊し障害者に。兄弟も同じ道を辿っている。免除の審査も厳しく収入を工夫しながら、もしくはどこかで負担しながら払い続けるしかない。
40代・アルバイト
年収200〜300万円
借入額400〜500万円
入学するときは借りるのが当たり前と思っていたが、卒業後、病気で無職のときや、非正規の仕事にしか就けず収入が低くて返すのがとても大変だった。友達とも会わず遊びにも行かずかなり切り詰めた生活だった。老後のお金など貯められない。生きていて何が楽しいのかと思う。
20代・正社員
年収100万円台
借入額200〜300万円
新卒で年収400と少し恵まれた所に就職出来たが残業が多く精神病に。現在は回復したが制限勤務で手取り5~8万円となっている。収入における奨学金返済の割合が高く、悲しい気持ちになっている。
家族の病気や事故で返済困難
30代・正社員
年収300〜400万円
借入額200〜300万円
今は正社員として勤務していますが、昇給は僅かでボーナスも無いような会社です。また妻が精神疾患で自宅療養をしているため、一馬力で何とか家計を支えています。
返済がちらつき好きな物も我慢することも多々あります。
60代・個人事業主
年収400〜500万円
借入額200〜300万円
母親が病気で長く入院することになったのと、返還開始が同じタイミングだった。その数年後、自分の出産で返還猶予申請し、自分自身が入退院を繰り返すことになり、当時最長期間となっていた5年があっという間に過ぎてしまった。奨学金の他にも借金しなければ、生活も奨学金返還もできない状況になった。
30代・専業主婦
年収〜100万円
借入額400〜500万円
生まれた子に先天性の疾患があり、長期の入院とその付き添いを余儀無くされました。その子は5歳になった今も医療的ケアがあり、長時間どこかに預けることができません。長女が生まれてから5年、返済を猶予してもらっていますがこの先の就職の目処も立たず、猶予期間が終わればどうなるのか、不安で仕様があり ません。
30代
年収100〜200万円
借入額400〜500万円
子どもに障害があり、24時間介護が必要になってしまったため返済が難しいことを相談したが、月々の返済額を減らす提案をされただけで何も変わらなかった。子の療養にかかるお金なども必要になってくるため、この先どうやりくりしていったら良いのか、とても不安に感じる。
返済のせいで望まない仕事につくことになった
40代・アルバイト
年収〜100万円
借入額200〜300万円
仕事を辞められない、辞めても熟考せずに次の仕事につかざるをえなかった。
20代・正社員
年収300万円台
借入額100〜200万円
保育関係の仕事に就きたかったが、奨学金の返済補助がないと生活するのがやっとの収入が業界の平均なので、就職条件に奨学金の返済補助があるところを優先して考えた。
30代・正社員
年収700万円台
借入額900〜1000万円
就職時、年収を優先し希望の職からよりハードな職を選んだ。
30代・正社員
年収600万円台
借入額400〜500万円
大学で学んだことの延長に、夢や挑戦したいこともあったが、返済がまちうける自分には、叶わないというあきらめのような感覚があった。学ぶ為に借りたお金によって、学んだことを活かす道が閉ざされるというジレンマが、22歳当時の自分にはとても苦しいと感じた。今になってもふと、やるせない気持ちがおそってくる。
20代
年収300万円台
借入額400〜500万円
今妊娠中で悪阻が酷く、退職を検討していましたが、奨学金の返済のことを考えると辞められないな、と耐えています。
20代・正社員
年収300万円台
借入額100〜200万円
大学卒業後就活を失敗したり、安月給の会社やブラック企業に入社してしまった場合、返済に追われ退職や転職の準備が行き詰まってしまい、仕事を辞めるに辞められなくなる。私の場合、現在でも国民年金が支払えず延滞している。
20代・正社員
年収400万円台
借入額100〜200万円
収入が足りず、正社員の仕事以外に風俗の仕事をしている。
20代・正社員
年収300万円台
借入額600〜700万円
大学院に進学し、研究職につきたかったが、奨学金をこれ以上増やしたくないとの思いから、進学を諦めて就職をした。
