「奨学金帳消しプロジェクト」とは
親の所得や家庭環境によって18歳の時点で数百万円の借金を背負わなければならず、その後何十年間も、奨学金の返済に人生を縛られる。
そんな理不尽な奨学金制度を変えるために、私たちはプロジェクトを結成しました。
10〜30代の学生や社会人が集まり、奨学金制度の改善、奨学金の債務帳消しを実現するために活動しています。
私たちは「借金世代」
このプロジェクトのメンバーには、学生や社会人まで多様な人がいます。奨学金を借りている人もいれば、借りていない人もいます。しかし、プロジェクトに関わる私たち若者に共通しているのは、私たちが皆「普通に生きる」ことが困難な時代を生きているということです。
今や、大学生の3人に1人が平均300万円の奨学金を抱えています。社会に出た先で私たちを待ち受けるのは、長時間労働やパワハラが蔓延する劣悪な労働市場です。上がらない給料のもとでは家を買うことや子育てすることもままならず、月々の給料は高い家賃や光熱費・借金返済に消えていきます。不安定な生活の中で奨学金返済の負担は重く、私たちの調査では回答者の10人に1人が「自己破産を考えたことがある」と回答しました。
今の奨学金制度がどれほど問題を引き起こしていたとしても、制度は自動的には改善されません。しかし、この理不尽な制度を変えたいと思う若者がプロジェクトのもとで結集し行動すれば、私たちの怒りは制度を変える力になるはずです。
昨年アメリカでは、バイデン大統領が学生ローンを一人当たり約137万円分帳消しすることが発表されました。これは、格差が広がるアメリカ社会を生きる20〜30代の若者たちが The Debt Collective をはじめとする様々な団体を結成し、返済ストライキやデモを通じて教育ローンがいかに不正義であるか訴えてきた成果です。 日本でも、奨学金制度は大きく転換すべき時が来ています。経済成長の時代はとっくに過ぎ去り、今まで「普通」とされていた生き方が成立しなくなった今だからこそ、私たちの世代で、より公正な、誰もが生存可能な社会を作っていきましょう。
プロジェクトのイメージ
私たちは、4つの取り組みを軸にプロジェクトを進め、奨学金制度の改善、そして最終的には奨学金の債務帳消しを目指して活動を進めていきます。
これまで私たちがやってきたこと
2022年6月
署名の立ち上げ
2022年6月にchange.org にて「#奨学金返せない 「奨学金」という名の債務の帳消しを求めます!」というタイトルで署名を立ち上げました。署名にはすぐに大きな反響が寄せられ、奨学金を返済中の若者から「自分だけが困っているのだと思っていたが、他の人にも共通する問題だと気がついた」などのコメントが寄せられました。
2022年6月〜9月
アンケート調査
奨学金を返済中の人が抱える困難、奨学金返済が人生設計に与えた影響を、3000 人規模のアン ケート調査によって明らかにしました。
2022年9月
調査結果をもとに、文部科学省記者クラブにて記者会見を行いました。
記者会見
取材実績(一部)
毎日新聞 「『奨学金帳消しを』元学生ら訴え 1割『自己破産検討』」
共同通信 「奨学金返済、28%が延滞 元学生、自己破産検討も」
東京新聞「『勉強したいだけなのに』貸与型奨学金の返済延滞、3割が経験 自己破産した人も 市民団体がアンケート結果発表」
AERA「奨学金返済に苦しむ若者たち 「私のようになってほしくない」と子どもを諦める人も」
朝日新聞「奨学金の呪縛、30代元高校教員の後悔 『ありがたい、でも…』」
取材連絡先
取材を希望される方は、以下のメールアドレスまでご連絡ください。